パスポートの申請・更新ガイド|2026年7月の手数料改定に対応
パスポート(旅券)は海外旅行に欠かせない最重要書類です。特に2026年7月1日の手数料改定により、取得にかかる費用が大きく変わりました。申請から受領までの流れ、必要書類、写真の規格、所要日数、オンライン申請の活用方法など、スムーズに手続きを進めるために知っておくべき情報をまとめました。この記事を読むことで、渡航前の準備段階でパスポートの申請に確実に対応できるようになります。また、マイナンバーカードを活用した電子申請の方法や、渡航後の安全な携帯方法についても詳しく解説しています。
パスポート申請に必要な基本情報と種類
パスポートとは
パスポートは日本政府が公式に発行する旅券で、国際旅行において本人確認と国籍を証明する最も重要な書類です。海外渡航時には必ず携帯が必要で、多くの国では旅券の残存有効期間が6か月以上あることを入国条件として定めています。パスポートには10年有効と5年有効の2種類がありましたが、2026年7月1日の改定により、18歳以上の申請者は10年旅券のみとなりました。これは手数料の変更とともに、重要な変更点です。
パスポートの種類と有効期限
パスポートの有効期限は、発行日から数えられます。10年旅券は18歳以上が対象で、有効期間中は何度でも国際旅行に使用できます。5年旅券は18歳未満が対象で、より短期間ですが、更新手続きが必要になるまでの期間が限られています。パスポートの有効期限が切れると、すぐに更新を申請する必要があります。更新は新規申請と同じ手続きで行われ、新しい旅券番号が付与されます。
手数料改定の内容(2026年7月1日から適用)
2026年7月1日から、パスポートの手数料が大幅に変わっています。新しい手数料は、国手数料と都道府県手数料の合算です。以下の額は改定後の金額です。
| 旅券の種類 | 電子申請 | 窓口申請 |
|---|---|---|
| 10年旅券(18歳以上) | 8,900円 | 9,300円 |
| 5年旅券(18歳未満) | 4,400円 | 4,800円 |
| 残存有効期間同一旅券 | 5,400円 | 5,800円 |
改定前は10年旅券が15,900円(電子申請)、16,300円(窓口申請)だったため、電子申請で7,000円の大幅な減額となっています。また、18歳以上の選択肢が10年のみになったため、5年旅券の取得は18歳未満の申請者に限定されました。
パスポート申請の流れと方法
電子申請でのパスポート取得
令和7年(2025年)3月24日から全国の都道府県と在外公館で、オンラインによるパスポートの新規申請・切替申請が可能になりました。電子申請はマイナンバーカードとスマートフォンを利用してマイナポータルから行うもので、従来の窓口申請よりも手数料が400円安く、手続きの一部を自宅で完結できます。ただし、2026年7月1日の手数料改定に伴い、混雑が予想されており、電子申請でも窓口申請でも交付まで約1か月を要する可能性があります。パスポート取得後は、海外旅行のビザ申請が必要な国への渡航を計画する場合、ビザ申請期間の余裕を見込んでパスポート申請を進めることが重要です。
窓口申請でのパスポート取得
従来の窓口申請は、住所地の都道府県庁や各市区町村のパスポートセンターで行います。電子申請が利用できない環境にある場合や、スマートフォンを持っていない場合は窓口申請を選択する必要があります。窓口申請でも必要な書類は電子申請と同じですが、手数料が400円高くなっています。また、18歳未満の未成年者が申請する場合は、親権者や後見人の署名が申請書に必要になるため、窓口での対面確認が必要です。
パスポート申請に必要な書類と準備
必ず用意する書類
パスポート申請時に必須となる書類は決まっています。以下をすべて準備してから申請に臨みましょう。
- 一般旅券発給申請書1通(申請窓口に用意されている場合が多い)
- 戸籍謄本1通(申請日前6か月以内に取得したもの)
- 顔写真1葉(規格については後述)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 住民票の写し(住基ネット利用を希望しない場合のみ)
戸籍謄本と住民票の写しは申請日現在で一定期間以内のものが必要です。特に戸籍謄本は6か月以内に取得したものに限定されており、古いものは再度取得し直す必要があります。本人確認書類は「1点でよいもの」(マイナンバーカード、運転免許証、日本国パスポート等)と「2点必要なもの」(健康保険証、学生証等)に分かれています。通知カードは本人確認書類として認められていないので注意してください。
写真の規格の詳細
パスポートに使用する写真は厳密な規格があります。以下の条件をすべて満たす必要があります。
縦45mm×横35mm、縁なし・無背景(白色推奨)、申請日前6か月以内に撮影、無帽・正面、頭頂からあごまで34±2mm、眼鏡の使用不可(度入りコンタクト可)、前髪で目が隠れないこと
写真スタジオで申請用の写真を撮影する際は、「パスポート用」と指定することで規格に合ったものを用意してくれます。スマートフォンで自撮りした写真の場合、背景の白さ、頭部の配置、照明が基準を満たしているか確認してから印刷してください。規格外の写真で申請すると受け付けられず、撮り直しが必要になります。
写真規格の詳細説明と誤りやすい点
頭頂からあごまでの寸法「34±2mm」は、測定が難しい項目です。この寸法は、頭の頂点から顎の一番下の点までの距離を指します。多くの申請者が、この寸法が規格外の写真で申請して却下されるケースが多いです。写真スタジオはこの寸法を正確に測定する機器を持っているため、プロに依頼することが確実です。眼鏡については、装着している場合、焦点が定まらなくなり規格を満たさないと判断されるため、コンタクトレンズを使用する、または眼鏡なしで撮影することが推奨されます。色付きコンタクトレンズの場合も、度入りとみなされるため着用可能です。
申請手続きのステップ
申請前の準備と確認および年齢計算法
パスポート申請前に、いくつか確認しておくべき項目があります。まず、現在有効なパスポートを持っている場合は、切替申請が新規申請よりも書類が簡略されることもあります。年齢計算に関する法律により、年齢は誕生日の前日に加算されます。つまり、18回目の誕生日の前々日までに申請した場合、18歳未満の扱いになり、手数料の減額措置が適用されます。18回目の誕生日の前々日を過ぎて申請した場合は、18歳以上の手数料となるため、若い申請者は誕生日を意識して申請タイミングを決めることが重要です。また、渡航先の国によって要求される旅券の残存有効期間が異なる場合があるため、事前に大使館や領事館の公式サイトで確認しておくことが重要です。旅券の残存有効期間が6か月以上必要とする国が多いため、有効期限が近い場合は先に更新申請をすることが推奨されます。
申請から受領までの所要日数
パスポートの交付までにかかる日数は、申請方法と申請場所で異なります。通常、国内での申請は約2週間、国外(在外公館)での申請は2週間から1か月(土日祝を除く)で完了します。ただし、2026年7月1日の手数料改定に伴う混雑により、電子申請・窓口申請ともに約1か月を要する可能性があります。渡航予定が決まったら、できるだけ早期に申請を済ませることをお勧めします。旅行前日にやることリストで出発準備を計画するときは、パスポート取得から空港到着まで十分な日程余裕が必要です。
パスポート受領時には、受理票(受領証)と手数料(収入証紙及び収入印紙を受領証に貼付したもの)を持参する必要があります。都道府県によっては現金払いとしているところもあるため、事前に申請窓口に確認しておきましょう。
申請状況の確認方法と「パスけん」の活用
申請後、パスポートがいつ完成するかは「パスポート受取可能日検索システム(パスけん)」で確認できます。このシステムに申請時の受付番号を入力することで、作成状況や受取可能日をリアルタイムで知ることができます。受付番号は申請時に交付される受理票に記載されています。スマートフォンからもアクセス可能であり、外出先からでも確認できる便利なシステムです。パスけんで確認できる情報は、申請の進行状況、完成予定日、受取可能日の正確な情報です。受取可能日が近づいたら、実際に窓口に出向く前に、もう一度パスけんで確認して、実際に完成しているか確認することが推奨されます。
手数料の支払い方法と領収書
パスポートの手数料は、申請時に収入証紙または収入印紙(都道府県によって異なる)を購入して、申請書に貼付することで支払われます。一部の都道府県では、申請窓口で直接現金払いに対応している場合もあります。電子申請の場合は、オンラインでの支払いが可能です。領収書については、申請時に受理票が交付され、これが領収書としても機能します。受領時に受理票を紛失している場合は、本人確認書類を持参して窓口で再発行を申請できます。
18歳未満と18歳以上の申請の違い
18歳未満の申請時の特別な要件
18歳未満の未成年者(未婚者)がパスポートを申請する場合は、申請書裏面の法定代理人署名欄に親権者または後見人の署名が必須です。これは本人による署名ではなく、親権者の同意と責任を示すものです。電子申請でも窓口申請でも、この親権者署名は必ず必要になります。また、18歳未満は5年有効の旅券のみ申請でき、10年旅券の選択肢はありません。年齢計算に関する法律により、年齢は誕生日の前日に1歳加算されるため、18回目の誕生日の前々日までの申請であれば、18歳未満の扱いになり、手数料の減額措置を受けられます。
親権者署名ができない場合の同意書について
親権者が遠隔地に在住しており、申請書への署名が困難な場合は、親権者の同意書を提出することで申請が認められることがあります。同意書は大使館や領事館から指定の書式が提供されることもあり、事前に申請窓口に相談することが重要です。親権者の署名を得られない場合でも、同意書の提出により申請が進められる可能性があるため、困難な状況にある場合は窓口担当者に相談することをお勧めします。
18歳以上の申請時の変更点
2026年7月1日の改定により、18歳以上の申請者に大きな変更が加わりました。従来は10年旅券と5年旅券の選択肢がありましたが、現在は10年旅券のみが選択可能です。これは、パスポートの有効期間を長期化することで、更新手続きの負担を減らす目的があります。10年旅券の有効期間は発行日から10年間であり、この間にパスポートの損傷や紛失に備えて、常に携帯しておくことが重要です。また、18歳以上は本人署名のみで申請でき、親権者の署名は不要です。
申請時の注意点と失敗を避けるコツ
重複申請を避ける
審査完了前に再度申請すると「重複申請」となり、2回目以降の申請は無効になります。特に電子申請で一度申請した後に、窓口でも申請するといった重複は避けなければなりません。申請後は完了まで待つようにしてください。もし誤って重複申請をしてしまった場合は、すぐに申請窓口に連絡し、状況を説明してください。対応が早いほど、対処方法の選択肢が増える可能性があります。
代理人による申請提出について
パスポート申請書は申請者本人が記入することが原則です。ただし、病気や高齢などの理由により本人が申請窓口に出向けない場合は、代理人による申請書の提出が認められることがあります。代理人が提出する場合でも、本人が記入した申請書が必須であり、また代理人も本人確認書類の提示が求められます。さらに、代理人による提出が認められない場合もあるため、事前に申請窓口に相談し、対応方法を確認することが重要です。委任状が必要になるケースもあるため、窓口の指示に従うことが確実です。
書類不備の回避方法
申請書の記入漏れや書類の不足は、受付段階で指摘されることが多いです。申請書のすべての欄に記入すること、戸籍謄本と住民票の取得日を確認すること、18歳未満の場合は親権者の署名欄を忘れないことなど、チェックリストを作って確認してから申請に臨みましょう。特に、氏名の漢字や生年月日は戸籍謄本と完全に一致していることが絶対条件です。
マイナンバーカード利用時の電子申請のメリット
マイナンバーカードを利用した電子申請には、窓口申請にはないメリットがあります。まず、手数料が400円安くなります。次に、自宅からオンラインで申請できるため、複数回の窓口訪問が不要になります。さらに、住基ネットの利用により、住民票の写し提出が省略される場合があります。ただし、電子申請にはマイナンバーカードとスマートフォンが必須です。マイナンバーカードの申請から受け取りまでに数週間かかることがあるため、パスポート申請と同時進行で進めることが現実的です。
受領期限の確認と受領手続きの詳細
パスポートが完成しても、受領期限を過ぎると失効します。受け取り可能日検索システムで確認した完成予定日から、必ず期限内に窓口で受け取ってください。期限を過ぎた場合は、再度申請し直す必要があります。受領期間は一般的に完成通知から1か月程度に設定されていますが、正確な期限は受理票に記載されているため、受け取り後は大切に保管しておくことが重要です。受領時には、受理票(受領証)と手数料(収入証紙及び収入印紙を受領証に貼付したもの)を持参する必要があります。都道府県によっては現金払いに対応しているところもあるため、事前に申請窓口に確認しておくことが安全です。
パスポート取得後の重要な手続き
渡航登録(たびレジ)について
パスポートを取得した後、海外渡航が決まったら外務省の「たびレジ」に登録することが推奨されています。初めての海外旅行の準備でも重要なステップとして紹介されているたびレジは、3か月未満の短期旅行の際に活用します。登録すると、滞在先の最新の渡航情報や緊急事態発生時の連絡メールを受け取ることができ、万が一の時に家族や職場への緊急連絡が迅速に行われます。たびレジはオンラインで簡単に登録でき、登録後は旅行の日程や滞在先の変更があれば、随時更新することも可能です。登録時には、引率者がいる場合はその情報も記入する必要があります。
在留届(ORRnet)について
3か月以上の長期滞在を予定している場合は、旅券法第16条により「在留届」の提出が義務付けられています。これはたびレジとは異なるサービスで、ORRnet(在留届電子届出システム)から登録します。海外に住所または居所を定めて3か月以上滞在する人は、滞在を開始した後に登録する必要があります。在留届は、滞在国での戸籍謄本の交付申請や、選挙投票資格の行使、公式書類の認証などで必要になることがあります。
パスポートと一緒に準備する書類
パスポートを取得したら、海外旅行の必要書類についても確認しておきましょう。旅券の他に、クレジットカード、航空券、ビザ(必要に応じて)、健康保険証の写し、クレジットカード会社の連絡先など、渡航先で必要になる書類や情報をまとめてから出発することが重要です。
パスポート取得後の携帯と保管方法
パスポートを取得した後は、常に安全に携帯・保管することが重要です。自宅では錠をかけられる引き出しやセーフティボックスに保管し、紛失・盗難を防ぎましょう。旅行中は、宿泊するホテルのセーフティボックスに預けるか、常に持ち歩く場合はセキュリティポーチなどで貴重品と一緒に管理することが推奨されます。国際線の空港手続きではパスポートの提示が何度も必要になるため、アクセスしやすい場所に用意しておくことが便利です。パスポートを紛失した場合は、すぐに海外で困ったときの連絡先を参考に現地の日本大使館・領事館に連絡してください。
旅先でパスポートを紛失した場合の対処法
海外でパスポートを紛失・盗難した場合は、まず現地の警察に報告し、証明書を取得します。その後、在外公館(日本大使館・領事館)に連絡し、所定の手続きを進めます。緊急でパスポートが必要な場合は、「渡航書」の交付を受けることで一時的に帰国することができます。旅行中にパスポートを失った時は、冷静に行動し、大使館の指示に従うことが重要です。
よくある質問
パスポート申請に必要な戸籍謄本は住民票の写しで代用できますか
戸籍謄本と住民票の写しは異なる書類であり、パスポート申請では戸籍謄本が必須です。住民票の写しは、住基ネット利用を希望しない場合など、特定の条件下でのみ必要になる補助書類です。戸籍謄本は市区町村役場で交付請求により取得できます。
18歳になったばかりの人が5年旅券を申請することはできますか
2026年7月1日の改定により、18歳以上の申請者は10年旅券のみが選択肢になりました。ただし、年齢計算に関する法律により、18回目の誕生日の前々日までに申請された場合は、18歳未満の扱いとなり、5年旅券への減額措置が適用される場合があります。詳細は申請窓口で確認してください。
パスポート申請中に外国に出かける必要が生じた場合、どうすればよいですか
審査完了前の申請中には、パスポートはまだ発行されていません。緊急の渡航が必要な場合は、在外公館で「渡航書」の申請が可能な場合がありますが、これは一時的な証書です。通常は申請完了まで待つことが推奨されています。
パスポート更新と新規申請では書類の準備が異なりますか
パスポートの更新(切替申請)と新規申請では、必要な書類がやや異なります。切替申請の場合は現在のパスポートの提出が求められることが多く、一部の書類が簡略される場合があります。詳細は申請窓口の指示に従ってください。
パスポート申請時に必要な手数料の詳細な計算方法
パスポートの手数料は「国手数料」と「都道府県手数料」の合算です。国手数料は全国一律ですが、都道府県手数料は都道府県によって異なる場合があります。2026年7月1日改定後、10年旅券の電子申請手数料は8,900円で、その内訳は国手数料が7,000円、都道府県手数料が1,900円です。窓口申請の場合は都道府県手数料が2,300円になるため、合計9,300円となります。この手数料は改定前の15,900円(電子申請)と比較して、大幅に削減されています。
パスポートの有効期間は10年間ですが、実際には何年間有効ですか
10年旅券は発行日から10年間有効です。有効期限はパスポートの顔写真ページに記載されており、その日を過ぎると使用できなくなります。渡航先への入国時に求められる「残存有効期間」は、この有効期限までの期間を指すため、旅行計画時には必ず確認しましょう。
パスポート申請中に転居した場合、手続きはどうなりますか
パスポート申請後に転居した場合、申請窓口に直ちに連絡してください。転居前の住所で申請されている場合、申請内容の更新が必要になる可能性があります。転居後の住所を登録する際は、新しい住民票の写しが必要になる場合があるため、申請窓口の指示に従ってください。
パスポートが失効してしまった場合、どのような手続きが必要ですか
パスポートの有効期限が切れた場合(失効パスポート)、新しいパスポートを申請する必要があります。失効パスポートは提出すれば保管されますが、渡航には使用できません。失効したパスポートがある状態で新規申請をする場合、申請方法によって書類が異なることがあります。詳細は申請窓口で相談してください。